高齢者の体調の変化は、見逃しやすいことが多くあります。見逃して放置することで疾病の症状が進行し、気づいたときには重症化していることも少なくありません。見逃す原因はいくつか挙げられます。まずは、高齢者本人が気づいていない場合です。老化現象によって体調の変化に鈍くなっていて、症状が出ていても訴えようとしません。周囲の人も、高齢者本人が何も訴えないことで安心し、そのまま症状に気づくことなく放置してしまいます。
また、高齢者本人が体調の変化に気づいていながらも、サインを出さない場合もあります。これは、体調の変化をうまく表現できないことが挙げられます。体調をうまく伝えられるとしても、周囲の人と信頼関係を築いていない、あるいは孤立しているといった場合には、あえて言わずに抱え込むこともあります。
最も気をつけなければならないのは、周囲の人々の対応です。高齢者本人が体調の変化について主張するまで、介入しない人が少なくありません。特に、介護に疎い人や日頃から高齢者と接する時間が少ない人は、本人が体調の変化を伝えてこない限りは元気なのだと思い込む傾向にあります。高齢者本人からの主張に期待するのではなく、日頃から体調管理をしっかり行う必要があります。高齢者はほんの些細な体調の変化でも、悪化しやすく命にもかかわってきます。様子がいつもと違うと思ったら、小さなことでもすぐに医者に診てもらうなどしましょう。体調の変化には何かしらのサインが必ずあるため、見逃さないように注意が必要です。もっと詳しい情報を得るなら→→身体からのメッセージ「バイタルサイン」