バイタルサインは、医療や介護の現場で高齢者の体調の変化を知るために重要です。脈拍や呼吸、血圧や体温などをバイタルサインといい、それらを測定することをバイタルチェックといいます。バイタルを測定したら、バイタルチェック表にその結果を記入します。介護職の現場では高齢者の体調を管理するためには欠かせません。介護の事業所でのバイタルチェックは、通所の高齢者なら事業所に到着した時点で安全管理をするために行います。ただ血圧や脈拍などは自動血圧計などで簡単に測定できますが、高齢者の身体の痛みや足のむくみなども大事なチェック項目です。
問診や触診は、事業所によっては介護職ではなく看護師や機能訓練指導員が行う場合もあります。これらの簡易検査は、介護職の現場では有効活用が可能なので様々な場面で活かされています。バイタルサインチェックによって介護する側が把握できることは、高齢者の普段の生活の様子です。食事状況と塩分バランスの度合いや、血圧の高さによって、薬を正しく服用しているのかが分かります。
これらの測定は高齢者が事業所に到着して5分程経ってから行います。何故なら、到着してすぐは高齢者が動いた直後であり、血圧や脈拍の数値が正しく測れないことがあるからです。体温の測定は37.5度以上が要注意にあたり、血圧は高血圧の基準に該当しないかしっかりチェックします。また最高血圧が80台と低い場合も看護師に報告します。脈拍で看護師に報告が必要なのは120回を超えた場合や60回を下回るときです。この数値になると、高齢者の不整脈が疑われるからです。